エリック・クラプトンの「クロスロード・ギターフェスティバル」というDVDを借りてみた。
凄いの一言。ブルースの大御所や有名ギタリストが多数参加というだけでファンにはたまらない一品。
バディ・ガイ、ロバート・クレイ、さらに”キング・オブ・ブルース”B.B.キングまでもが登場。他にもスティーヴ・ヴァイイーグルスジョー・ウォルシュらも参加。素晴らしいコンサート模様となっている。
これもクラプトンという卓越したミュージシャンの成せる技か。
なんといってもバディ・ガイとギターで会話してるんだから。普通の人が見たら「こいつら頭イカれてるんじゃないだろうか?」と思うかもしれないが、彼らはそんな凡人としての感覚を超越している。クラプトンほどの領域に達すれば言葉を発せずに楽器で会話など容易いこと。音楽とはそういうものだ。
ギターの奏でる音を楽しむことでミュージシャンからオーディエンスまで皆が一体になれる。その雰囲気の中で言葉なんていらない。
ただ気の赴くままに楽器を演奏するだけでそれが言葉になるのだ。人種、言葉の壁を越えるというのはまさにこれのこと。
そういった音楽の豊かな想像性をクラプトンは教えてくれた。私は彼に感謝している。
彼はよく「ギターの神様」と呼ばれるが私はそうは思わない。あくまで「ブルースロックの求道者」として捉えている。
ミュージシャンに絶対的存在なんて決め付けるより、その人の志すスタイルのアーティストとして捉えるのが妥当だと思っている。
還暦を越えてなおギターを引き続けるエリック・クラプトン。彼はこれからもギター一本でブルースを語り続けていくことだろう。