フレンチ・コネクション

刑事ドラマの金字塔といえばこれ。
71年公開と今から30年以上も前の古い作品だが、面白さは随一。その年のアカデミー賞主要部門も獲得するほどの好評価も得ている。


マルセイユからニューヨークへ密輸される3200万ドルのヘロインをめぐって、NY市警のジミー・ドイル刑事、通称“ポパイ”(ジーン・ハックマン)とその相棒ラソー(ロイ・シャイダー)が国際麻薬シンジケートの黒幕を追いつめていく。
フランスとアメリカを結ぶ麻薬密売ルート“フレンチ・コネクション”をめぐって、リアリズム重視のドキュメンタリー・タッチで繰り広げられる骨太の刑事ドラマ。高架鉄道の上下での直線を大いに意識したカーチェイスなど、息をもつかせぬスリルとサスペンスが観る者を圧倒する。アカデミー賞作品賞をはじめ監督賞(ウィリアム・フリードキン)、主演男優、脚色、編集の5部門を制覇した名作中の名作である。
amazonの商品説明より

説明の通りカーチェイスシーンはアクション映画界屈指の出来。爆走する車が対向車や人にぶつかりそうになりながら電車を追いかける。
現代のアクション映画に見慣れるとこのシーンもそんなに凄いとは思わないだろう。
個人的に特に面白かったのはドイルが敵のボスシャルニエを人ごみに紛れて尾行するシーン。いつ気づかれてもおかしくないドイルの尾行にはヒヤヒヤさせられた。これも徹底したドキュメンタリー風で実に緊張感のあるシーンに仕上がっている。
しかしこの映画の見所はなんといってもジーン・ハックマン演じる刑事ドイルの魅力にある。
一見粗暴で人使いも荒いドイルだが、どこか憎めないのはハックマンの実に人間くさい演技にある。この作品を見て彼はハリウッド屈指の「人間らしい人間を演じることができる俳優」だと思った。
ラストは今まで見た映画の中で最高のものだと思う。シャルニエを追いかけて俳工場の奥へ進むドイル。その後響き渡る一発の銃声。
物語はそこでエンドロールへと繋がるという衝撃的なものだった。オーディオコメンタリーモードで監督のコメントが聞けるが、この銃声は誰にもわからない。
1のヒットを受けて2も出ているが、こちらはドイルという人物をより深く掘り下げており1と同様見ごたえがある。続編ものとしては珍しく大成功したタイプ。
ちなみに2も衝撃的なラストなので見ておいて損はない。


フレンチ・コネクション [DVD]

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